ローンの状況確認に電話をしたら不動産屋さんに「やる気ですから」と宣告された。感謝するべきところだし感謝しているけれど、心強くはないところが惜しい。きっと僕も職場でそう思われているだろうと、そう思って他山の石としよう。やる気があってそれを宣言できるのって素敵なことですけど。頼りにしてますよ?
ところで昨日書いたこと、青空文庫夏目漱石の「こころ」を探してきた。以下転載。
「さきほど先生のいわれた、人間は誰でもいざという間際に悪人になるんだという意味ですね。あれはどういう意味ですか」
「意味といって、深い意味もありません。――つまり事実なんですよ。理屈じゃないんだ」
「事実で差支えありませんが、私の伺いたいのは、いざという間際という意味なんです。一体どんな場合を指すのですか」
 先生は笑い出した。あたかも時機の過ぎた今、もう熱心に説明する張合いがないといった風に。
「金さ君。金を見ると、どんな君子でもすぐ悪人になるのさ」
 私には先生の返事があまりに平凡過ぎて詰らなかった。