182冊目。

からくりからくさ

からくりからくさ

ああ、いい本を読んだ。
「りかさん」を先に読んで正解だったと思う、出版順としては逆なんだけど。僕には分からない用語ばかり出て来て十全に理解できたとはとても言えないんだけど、読ませる。この本の出版が1999年か。このひとがどこへ行くのか(いまどこにいるのか)、見届けたいと思う。ああ、いい本を読んだ。ちょうど「白魔法はイニシエーションの話だ」(黒魔法は現実の裏側を描いている、白魔法は通過してちょっと違う場所に戻ってくる)という話を妻と同意したところだったんだけど、ええ、まさにそんな話。で、この感想は他の誰かの作品にも覚えたことがあったけど、奇跡とか才能とかを要求しないでここに書かれているものが書けたらすごいんじゃないだろうか、いつかたぶん書かれるであろうそれを読みたい、と思う。
いや、前にその感想を誰かに言った時も、そんなことを考えるのはお前だけだ、みたいなことを言われたんだけど。

五分後に追記。
送信してからふと思った。僕が要求していることって、つまり作品ごと不要になるところまでつき詰まる話だ。誰が何を書く、という話ではなく、ひとが(あるいは僕が)どう生きるかって問題であって、その答えは作中に名も無い女性たちの生き様、って形で書いてある。そういうことか。