188-190冊は梨木香歩で「村田エフェンディ滞在録」「沼地のある森を抜けて」「この庭に 黒いミンクの話」。
「村田」は「家守」のパラレル、「この庭に」は「からくりからくさ」の後日談のパラレル。なんだろう、何か目的の場所があってたぶんそこを目指しているつもりで、でもそこからは等距離を保ちながらぐるぐると円運動をしているような感じのシリーズ化だなあと思う。
踏み込んだ話、ということなら「沼地」がいちばん踏み込んだ話だったけれど、しかし、そのひとつのことについて書くためにこれだけの回りくどい物語が必要かと思うと、その大変さには頭が下がる。うん、そのことについてはもうみんな知ってる、と僕は思うけれど、きっと作者にとっては書くべきテーマだったんだろう。でも、やっぱり目的の場所からは距離があるかもしれない。