田中芳樹回帰中。読んでなかった「ラインの虜囚」「奔流」をまとめて読んで、もう二冊読み残していた本を手元にストック中。中学生の頃に図書館で銀河英雄伝説を見つけて、名前は聞いたことがあるような気がすると借りて以来のつきあいだから、十五年くらいのつきあいになる。十五年前から読んでいる現役の作家って、このひとくらいじゃないか。村上春樹よしもとばななも笹本裕一も出会ったのは(多分)十八以降だ。……村上春樹は高校時代の教科書に載っていたか。よしもとばななはセンター入試。しかも最新刊を真面目に読んでいる訳でもないし。
感想。「ラインの虜囚」は子ども向け、「奔流」はとりあえず書いてみた感じ。田中芳樹としては銀河英雄伝説の頃がいちばん充実していた気がする。もちろん読んでいた僕も、だろうけど。一年に一冊未満のペースでしかでない新刊を待つには向かないんだよな、このひとの書くものはって思う。まあ、言っても詮無いことですけど。
それともう一冊、「いま、会いにゆきます」市川托司。名前はかねがね、図書館で見かけたので読んでみました。ええと、今よみおわった感想。読んで良かった。文章に色気はないので読み進むのに退屈するけれど、最後の手紙のどんでん返しで全部許す。細かい舞台設定だとか表現方法だとか何だとかについては言いたいことがいろいろあるけれど、この物語の枠組みのために許すことにします。読まずに置くには惜しい一冊でしたよ。そうか、こういう話に(今の)僕は弱いんだ、と、それにこれが世の中で売れるんだ、と、気づかせてくれて感謝。
ここまで通巻89冊。育児休業が4ヶ月終わったところで89冊は、だいたい年間270冊ペース。ここまで三分の二がグイン・サーガな訳で、残りグインがまだ半分以上ある(外伝も20巻とかあるため)かと思うと、もう四ヶ月くらいは読書三昧が続きそうです。続くんだろうか。