160冊、161冊目は、「悪人正機吉本隆明糸井重里の対談と、「雨と夢のあとに柳美里
吉本隆明は、ひどく当たり前のことしか言っていなくて退屈なくらいだけれど、それが逆に信用できることなんだろう。たぶん会って話しているところを聞いたら百倍面白いことには疑いはない。それに、本当に深い内容について知りたければ対談集ではなくて著作を読むべきだ。何か読もうかな、大変そうだけどな。
何か言いたいことがあるときは何かを書くことにしていた僕は、さて、いま何かを言いたい気分なんだけど、何を言いたいんだろうか。きっと何も言えないだろうし、僕の口から退屈でないことが言える気は全然しないんだけど。
柳美里は僕にとって今年一番のヒットかもしれない(今年、グインサーガ以外になに読んだっけ?)。父親好きの娘の一人称という、もうそれだけかもしれないけど。同名の奥田美和子の曲、も、よく聞いたけど、歌詞としては微妙だと思っていたんだけど、この小説が下敷きだと思うとまあ納得。ストーリー展開とか文章表現とか、個人的には非の打ち所がないとは全然思わないけど、一般論として<物語には力がある>というのを思い知らされる感じでした。物語、好きです。